建設業に付随した許可・届出・法人設立

建設業を取得しても、それだけで問題解決する訳ではありません。建設業に付随する許可や届出等が発生します。例えば、建設現場で排出する産業廃棄物の処理責任は、元請業者が負うことになります。しかし、元請から依頼を受け、下請けが建設系産業廃棄物を最終処分場等へ運ぶ場合は、「産業廃棄物収集運搬業許可」を取得する必要があります。これらを無許可で運搬してしまうと、処分の対象にあたります。
この様に、知らないでは済まされない事も少なくありませんので、注意が必要になります。

産業廃棄物の収集運搬許可

産業廃棄物収集運搬業は、排出事業者から委託を受けて、産廃処理施設や保管場所等まで産業廃棄物を運搬することを業とします。業を行なおうとする区域を管轄する都道府県知事(政令市長)から、許可を受けなければなりません。産業廃棄物は、排出事業者に処理をする責任があります。建設現場で排出する産業廃棄物の処理責任は、元請業者が負うことになります。

 

建設現場で排出される建設系産業廃棄物を中間処理施設や最終処分場へ運ぶ場合は、発注者から直接工事を請負った元請業者は「産業廃棄物収集運搬業許可」は必要ありません。下請業者が産廃を運ぶためには、「産業廃棄物収集運搬業許可」を取得する必要があります。そして元請業者と「産業廃棄物処理委託契約」を結ぶ必要があります。契約書を交わさずに産廃を運んだり、無許可業者に産廃を運ばせたりすると、元請業者が処分されます。

みなし電気工事事業者登録

みなし電気工事業とは、建設業許可を取得している登録電気工事業のことを指します。登録電気工事業が登録であるのに対して、みなし登録電気工事業者は届出で構いません。登録税もかかりません。建設業者が電気工事業を開始したときは、遅滞なくその旨を、営業所の設置場所により、経済産業大臣又は都道府県知事に届け出なければなりません。
当事務所では、みなし電気工事事業者登録の申請もお手伝いさせていただきます。

法人設立

個人事業主の方は、建設業許可の取得が必要になった際に法人化すべきか悩まれる方も多いかと思います。特に、法人化した場合のメリット・デメリットは気になる方は多いでしょう。当事務所では、お客様の状態等をヒアリングの上、個別具体的な相談・アドバイス等をさせていただきます。

 

また、実際に会社を設立する場合には、その会社が建設業許可の要件を満たすような会社設計にして法人設立登記を行うことが重要になります。その法人設計も含めてご相談に応じますので、お気軽にご相談くださいませ。


なお、これまでは、個人事業主の建設業許可が法人成りした場合、引き継げませんでした(個人事業主が建設業許可を取得後に、新たに会社を設立した場合は、新会社で新たに許可申請をする方法しかありませんでした)が、近年の法律改正により、事業承継による引き継ぎが可能となりました。

道路工事施工承認申請

道路管理者以外の者が道路に関する工事を行う場合は道路工事施行承認申請が必要となります。具体的には、市道から宅地への進入路を設置する工事などが該当します。こちらの申請もお手伝いさせていただきます。

道路占用許可申請

道路上やその上空、道路の地下に一定の施設を設置して、継続して道路を使用することを「道路の占用」といい、道路法によって規定されています。道路を占用する場合、道路を管理している「道路管理者」の許可を得て、そして許可を受けた場合「占用料」が発生します。
具体的には、「道路に給水管や下水道管を埋設する」、「合併処理浄化槽の処理水排水口を道路側溝につなぐ」、「露店などを設置して継続的に使う」場合などは道路占用許可申請が必要になる場合があります。

法定外公共物使用並びに工事施行承認申請書

河川法の適用を受けない青地(水路)の使用や赤道(道)についての利用も許可が必要になるものがあります。

道路使用許可

道路の本来の用途に即さない道路の特別の使用行為で、交通の妨害となり、又は交通に危険を生じさせるおそれのあるものは、一般的に禁止されていますが、このうち、それ自体は社会的な価値を有することから、一定の要件を備えていれば、警察署長の許可によって、その禁止が解除される行為を、道路使用許可が必要な行為として道路交通法第77条第1項に定めています。

解体工事届出

取り壊し工事の「解体工事届け出」の手続きは、工事着工の7日前までに行う必要があります。各自治体の関連部署(建築課、環境課等)に提出します。

提出は基本的に工事の発注者である施主が行いますが、委任状を作成すれば家の取り壊しを行う業者に代わりに手続きしてもらうこともできます。

一般貨物自動車運送業者の許可申請や○建(マルケン)の指定申請

一般貨物自動車運送事業と言えば、トラックで荷物を運ぶ運送業のことを言います。わかりやすい見分け方は、緑色のナンバーが付いているものが、一般貨物自動車運送事業です。最近では、大型ダンプ等でも、コンプライアンスの厳しい現場に入るときは、緑ナンバーの車両でないと入れないといった事態が発生しているようです。

 

その一方で、白ナンバーダンプで、○建(マルケン)という表示番号で入れる現場もあったりします。大型ダンプは「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法」に基づき、 国土交通大臣(使用の本拠を管轄する運輸支局長)へ使用届出を提出することで、表示番号の指定をうける事になっています。


この辺りは、現時点ではグレーゾーンであり、お客様によっては緑ナンバーでないと現場に入れないという方もいらっしゃる一方で、○建表示で大丈夫という方もいらっしゃいます。

この様なお手伝いも当事務所でも可能です。